高木浩光氏の日経ITの記事とその反応リンクの話

まずは結城浩さんのYukiWikiからRFID[1. 無線式ICタグ]反応リンク集を見てもらいたい。
ちょっと長いので要約すると高木浩光氏は「RFIDは内容を暗号化しようが常にユニーク(一意)なIDを返す。IDが付いたものを持ち歩くだけで個人特定されてしまう可能性がある。」と述べている。
これに対して森山和道氏が日記の中に書いたのが「こんなことは事業者たちは既に考えていて、手を打ってる。しかも、さらにその先まで考えている。」であった。
これは反論になっていない。高木氏は書かれた記事内で何故このような懸念があるのか細かく解説されているのに対して根拠なく「既に考えている」などと言われても納得できない。どう対策を考えているのか根拠を示すべきであった。
高木氏はセキュリティ関連の話題において注目を集めている人物の一人であるからWeb上でもあちこちで反応があった。それが冒頭に上げたリンク集である。当然ながら上記のように森山氏の発言をたしなめるものが多い。まあ、よくあるネットバトル(にもなってない)である。
では何故、ここで取り上げたのか。
高木氏は発端となった記事の最後尾でこのように述べている。

一般に、新しい技術を社会に導入しようとすると、技術を理解している人にしか予想できない脅威が生じ得る。
その危険性を事前に分析して提示し、解決策を準備しておくのが技術者の責務であろう。

これに賛同するからだ。
俺はまだ経験は浅いもののセキュリティ系の技術者で(専門は認証系)RFIDの利便性と危険性を知った以上、ささやかな範囲でも「危険性を事前に分析して提示」するべきだと考えるからだ。
興味を持ってもらえると嬉しい。[2. 他人の論争は見ていて面白いのでより興味を持ってもらえるかも、と考えたことも書いておいた方が正直だな]
…ヲチャとしては高木氏が危険性を訴えるために森山氏と組んで八百長ネットバトルを展開してたりすると面白い[3. 冗談だ。メーリングリストなどで拝見する限り高木氏はそんな姑息な真似を必要とする人ではない、と思う]